電子書籍の普及もあり、季節問わず楽しむことができる趣味として、
最近は読書をする人も多いのではないでしょうか。

しかし、「読書が好きです」という人でも読んだ本について聞いてみると、
文学賞を受賞したり映像化された小説ばかりが挙がることが多いように思います。
もちろんそれらの小説を読むことも素晴らしい読書体験であることは間違いないのですが、
小説だけの読書生活に満足してしまうのはもったいないと思います。

読書の素晴らしさとはさまざまな価値観や考え方に触れ、
自らの思考を広げることにこそあるのではないでしょうか。
そこで私が勧めたいのが「小説以外の本を読むこと」です。

その中でも特に私が強く勧めたいのが哲学系の本です。
「哲学」と聞くとなんだか難しいことのように思われるかもしれませんが、
「哲学」とは簡単に言ってしまえば「思考すること」。
「考えること」は誰でも日々行っていることですよね。

哲学とはその思考をとことんまで掘り下げていくことです。
哲学書はそんな考え抜くことをライフワークとした哲学者が一生懸命思考して、
思考しぬいた内容を他人に伝えるために表現したものです。
自分が考えたことを理解してもらおうと書かれたものですから、
その内容は努めて論理的に書かれたり、
わかりやすく伝わるように比喩を用いたりと読者のために工夫がされているのです。

そうはいっても観念的なことをテーマにした哲学は、
初めはとっつきにくいもので違和感がある人も多いでしょう。
そんな人たちのために最近はいわゆる「入門書」のようなものが文庫や新書といったアクセスしやすい形で出版されています。
一時期話題になった『これからの正義の話をしよう』もそんなとっつきやすい作品の一つで、
講義をまとめたものだけあって簡潔にまとまっていてわかりやすく、
翻訳も自然で読みやすい作品として幅広い読者に受け入れられています。

「哲学をすること」とは「論理的に思考して表現すること」ですから、
コミュニケーションに役立つことも期待できます。
哲学書で今後の読書生活と人間としての幅を広げてみてはいかがでしょうか。