摂食障害とは、年々増加し続けている精神疾患のひとつで、

その症状は主に、拒食症と過食症(過食嘔吐症)の2つに分けられます。

拒食症とは、極端な食事制限し続け、体重や見た目が十分に痩せているにも関わらず、
その極端なダイエット行動をやめられなくなってしまう症状のことを言います。

また、過食症とは、食べることへの極端な欲求衝動から、
通常では考えられない量の食べものを一気に詰め込んでしまう症状のことを言います。

嘔吐症が伴う場合、その過食行動の後に喉に指を突っ込むなどとして
自己誘発的な嘔吐を繰り返します。

これら2つの症状はまるで真逆の行動をとっていますが、
その心の中に渦巻く思いには似たものがあります。

その1つは、「食べることへの異常な恐怖心・罪悪感」です。

人によってその思いの芽生えの原因はさまざまですが、共通して言えることは、

「痩せていなければ自分には価値が無い」という自己嫌悪にも似た
自分への無価値観が考え方・心に刷り込まれています。

よって、拒食症の人は食べることを極端に制限し、

過食症の人は、食べることへの極端な恐怖心などから起こる心身の反動などから、
過食という行動をとってしまうのです。

拒食という行為は、食べることを拒否しているという見方では理解しやすい面があると思います。

ですが、過食という行為は、「食べることが恐い」という見方で社会的に認知される行為ではありません。

そこで今回は、摂食障害「過食症」についてをお伝えしていきます。

◯ 過食症とは

過食症とは、過食衝動という食べものを詰め込まずにはいられない衝動から
食べものを貪るように詰め込み、「太るのが恐い」という
自分の意志とは真逆の食行動をとってしまうことで、

仕事や対人関係など日々の生活はもちろん、自分自身の人生に
大きな支障が出てきてしまう状態のことを言います。

過食症を発症するパターンも患者さんによってそれぞれですが、

よくあるパターンとして、「拒食症から過食症に移行」した人が非常に多いです。

「痩せて綺麗になりたい」という一般的な思いからダイエットを始め、
食事制限や運動を始めるのですが、
いつしかそのダイエット行為が
大きな義務となってやめられなくなり、どんどんエスカレートしていきます。

そして、一般的な「痩せ過ぎ」という体型になったとしても、

自己の認識の「自分は醜く太っている」という強迫的な思い込みから逃れられなくなってしまうのです。

ですが、そのような極端な食行動や運動などの過剰な努力が長続きするはずもなく、
長期的な身体的飢餓状態から食への過剰欲求が起こります。

そこから過食へと転向し、それまで一切口にしなかったような
甘いものや炭水化物などの高カロリーなものを貪るように食べ始めます。

これらは、拒食によって身体的な飢餓状態を無視し続けたゆえの当たり前の生理的欲求でもあります。

ですが、摂食障害の人が持つ「痩せ願望」は一般の人が持つものよりも
遥かに強く危機感があるため、
自分が食べ物を摂取している状態を受け入れることが難しい状態になり、
表面化した罪悪感・自己嫌悪から抑うつ状態などの情緒不安定さが顕著になって、
精神的にも身体的にもとても辛い状況に陥ってしまいます。

そして、この段階で正しい治療や知識を持って回復過程を歩まないと、
どんどん摂食障害の泥沼にハマってしまいます。

◯ 過食症の治療法

摂食障害の治療は、その人の症状の重さにもよりますが、長期に及ぶことが多いです。

それほど治療が難しい難病と言えるでしょう。

ですが、決して治らない病気ではありません。

長い目を持ち、焦らず気持ちを楽に構えながら治療に臨むことが大切です。

下記に、摂食障害の治療に必要なキーワードと内容をまとめました。

• カラダの栄養

食べることが恐い摂食障害の人は、
極端な食事制限をしていたり偏食(カロリーが低いもの、健康食など)をしていたりと、

カラダの栄養が足りていなかったり偏っていたりすることがとても多いです。

そして、それによって過食衝動が起こりやすくなっているということもあります。

ですので、難しいとは思いますが、自分の中の「食べてはいけないもの」や「食べたら太る」と定義されているものも
バランス良く摂取していってあげる必要があります。

摂食障害の人が恐れやすい、ゴハンやパン、麺類、肉類・魚類、甘いものなども、

ひとつひとつ、ゆっくりで良いですから「食べても良いんだ」と自分に許していってあげましょう。

また、食べものの内容だけでなく、
食べる時間や条件などにも縛られてしまっている人もいると思います。

それらも、少しずつで良いです。
ゆっくり、自分の中に例外を作っていってあげましょう。

「食べることは生きること。」

綺麗ごとのようですが、これは本当です。

それらを実感できる日まで、決して諦めず食べることを続けていってください。

きっと、それをカラダで実感できる日が来ます。

• 心の栄養

摂食障害になるような人は、自分に厳しい人が多いです。

完璧主義・内省的・自罰的・罪悪感や自己嫌悪を持ちやすい・・・など、
いつも心の中は悲しみ・怒りで満ちている方が多いのではないでしょうか。

また、対人関係でも無理をし過ぎてしまう方が多いように思います。

ですので、そんな風に日々頑張っているご自分を許し、心にも栄養を与えてあげましょう。

ご自身の好きなこと、って何でしょうか。

摂食障害に埋もれる日々で、自分がいったい何をすれば楽しかったのか、
幸せだったのか・・・それすら思い出せなくなっている人もいるかもしれません。

そんなご自分の心に、「自分が心地よいと思うこと」を問いかけてあげてください。

好きな映画や音楽を楽しみながら一日ゆっくりゴロゴロして過ごす・・・

携帯の電源を切って、のんびり公園などを散歩する・・・

甘いケーキが好きだから、カフェでゆっくりティータイム・・・

お花が好きだから、携帯でお花の写真を撮る・・・

そんな小さなことで構いません。

ご自身の中に小さな幸せを見出していってあげてくださいね。

その幸せを実感できるようになれば、摂食障害の症状が必要じゃなくなるときはきっと来ます。

• 今を生き、選択する

「今を生きる」というと、かなり大きな意味になってしまいますが、

今の自分を感じ、今の自分が出来ることを選択していくことは、とても自分に優しい行動です。

過去にとらわれて未来を決めつけてしまったりという行動は、
繊細で感受性が高い人にこそ起こりうる心の状態です。

ですが、過去は過去、未来は誰にも分かりません。

ですから、今の自分が感じていること・出来ることを大切に生きていきましょう。

焦っても、良い結果が生み出せるとは限りません。
そのときのご自身の状態を考慮して、
そのときそのとき丁寧な選択を繰り返していってあげましょう。

また、社会で生きていると、溢れる情報に翻弄されてしまうことも多いでしょう。

ですが、それらに影響され過ぎたり振り回されたりすると、ご自身が疲れ切ってしまいます。

ですから、ご自身の価値観や個性を大切に、それらの情報を取捨選択していきましょう。

ご自身の生き方を、ご自身で決めていいのです。

ご自身を信じ敬い、親友のように扱ってあげること。

「今を生きる」「自分をベースに選択をしていく」

この2つは、
ご自身を大切にするためのキーワードです。

・・・

以上が、摂食障害「過食症」の概要です。

この病に苦しんでいられる方にはもちろん、摂食障害の正しい認識のために
この記事を参考にしていただけましたら幸いです。